グリーンカーテンに最適な植物は何か
今年もやってくる。あの夏が !
去年の夏が暑かった!
やたら暑かった!
今年はグリーンカーテンを作ってみるの、どうですか? 我が家では今まで色々な植物を試してきました。そこで、グリーンカーテンとして最も機能した植物はどれなのか、検証してみようと思います。あの非常識ともいえる強烈な日差しに、ぜひ対抗しようじゃありませんか。
ズバリ、我が家のベストはこれだ!

アサガオじゃないんかい
植物選定のポイント
おすすめの植物を選定するのに、基準としたポイントは4つです。
猛烈な暑さに耐えられること
想定気温は35~40℃。特に西側は日が沈むまで猛烈に暑い。真夏が終わるまで元気でいてくれる植物を選びたい。
病害虫の発生が少ないこと
ウドンコ病やハダニは、植物全般に発生して非常に厄介。大繁殖して葉が汚くなるのもイヤだ~。
手間が少ないこと
毎朝の水やりは必須ですが、鑑賞用として見栄えも重視するなら、花がら(咲き終わった花)を摘む作業も加わります。グリーンカーテンに向く植物は、朝咲いて夕方しぼむ「一日花」が多い印象。となると、花がらも毎日発生します。サイズが大きいと花がらも目立つんですよねえ。
繁殖しすぎる危険植物ではないこと
植物の特性は確認しないとヤバい。「〇〇〇(植物名) 危険」などのキーワードでウェブ検索してみたほうがいい。繁殖力が強すぎる多年草、種を量産してばらまく系統とか超絶ヤバい。特に地植え! 庭ごと、家ごと飲み込まれる可能性もあります。ご近所へ迷惑をかけ、周辺環境の生態系にまで影響を及ぼすかも。

危険植物、普通に店頭で販売されとるぞ
グリーンカーテン おすすめ選手権【結果発表】
【最優秀賞】パッションフルーツ

「植物選定ポイント」をすべてクリアする逸材!
見てください、西の窓を覆う この美しいモサモサ感を!! 気温40℃の真夏を乗り越えた、9月のパッションフルーツです。毎年育てていますが、ハダニもウドンコ病も発生したことが無いし、花がら(咲き終わった花)取りも必要なし。春に植えて冬に枯れる一年草(扱い)だから、増えすぎないのも安心。ホントに優秀~!
パッションフルーツ
4月末に植えつけて7月末に完成
ゴールデンウィークに植えたパッションフルーツは、夏に向けてグングン成長。葉の色が鮮やかで厚く、サイズが大きいのも良いですね。7月末には立派なグリーンカーテンが完成しました。真夏の猛烈な西日を浴びる環境なのに、葉が枯れてこないのがめちゃ優秀! さらにお楽しみなのが、

美味しい実を収穫できること!

バナナ&蜂蜜を入れたヨーグルトにパッションフルーツを加えると、甘酸っぱくてめっちゃウマ~!!酸味があるので甘いフルーツとの相性が抜群で、甘さを引き立ててくれます。スムージーに入れるのも良し、アイスにかけるのも良し。
収穫した実をクマにも食べてもらいました。その時のお喜びの声がこちら。
お気に入りのとっておきスイーツ!
— みやくま (@MiyakumaX) March 20, 2025
姉にもらったパッションフルーツをヨーグルトに添えて 〜南国の香り〜
パッションフルーツの種ってカリカリで美味しい😋
スイカ🍉の種みたいな風貌のくせに#パッションフルーツ pic.twitter.com/419OObnJTT
必要な作業は?
朝の水やり。それから花が咲くと人工受粉します。花が咲き始めるのが10:30くらい。種苗メーカーさんのウェブでは開花開始が8:00~10:00となっているので、うちのはかなり遅いなあ。西側なので朝陽が当たらないのが原因かも。花は大きく特徴的です。なのに地味で目立たないので、受粉し忘れることがあります(笑)それでも出来る実はありましたよ。

花が終わっても花びらが散らないし、実を成らせるので花がらも出ません。枝を増やしすぎないように脇芽を切ったり(枝が多すぎると収穫量が減る)、伸びたつるがどんどん上へ行ってしまうので下に引き寄せて固定するだとか、そういう作業は時々必要です。
実が赤く色づいてきたら収穫のサイン。自然に落下するので、キャッチできるようにキッチン用の三角コーナーのネットをかぶせています。
2024年 大量カメムシ事件
2024年はカメムシが大発生して、日本中の農作物に被害を出しましたね。我が家にも突然大量のカメムシが押し寄せました。
パッションフルーツの緑の実に群がっています。「皮が厚いし硬いから大丈夫でしょ?」などと放っておいたら、表面ボコボコの無残な姿に! 割ってみると果肉が3つしか入ってないよ…。何このハズレ感。今年は受粉したら、袋を付けます!

やつらは今年も来る。どよーん
【優秀賞】フウセンカズラ

良いところ
生育旺盛でワッサワサになります。葉が繊細で爽やか、鮮やかな緑もきれい。小さな白い花が沢山咲いて、それが風船のようなカワイイ実になります。
茎から出る細い巻きひげをネットに絡ませながら、茎自体はまっすぐ立ち上がるスタイルです。そして役目を終えて片付けるとき、どんなに長く伸びていても、下から引っ張ればネットからきれいに外れてくれるのがサイコー。
悪いところ
風船が緑のうちはカワイイんですが、種ができあがると茶色の風船になります。これが目立つんですよねえ。なんせ、量がやたら多い。摘む作業がかなり手間です。摘まないと種が落ちて、翌年にものすごい数の芽が出てきます。
ハダニの被害に遭った年もあって、その年は真夏に葉が枯れてしまいグリーンカーテンの役割を果たせませんでした。暑すぎたかも。夕方は日陰になる南向きなら良かったかもしれません。
【優秀賞】グロリオサ

良いところ
エキゾチックで大きな花がいくつも咲いて見事。花もちも良く、1週間は美しい状態をキープします。暑さにも負けない球根植物です。ハダニや病気の被害に遭ったこともありません。
38リットルのプランターで1.5m~2mくらいまで成長します。1m以上伸びてから3つに分岐するため、植える数が少ないと下部がスカスカになる可能性も。メインにするなら多めに植えるのが良いでしょう。クルンとなった葉の先でネットをつかむ面白い仕様です。なので片付ける時は下から引っ張ればキレイにはがせます。ラクチン。
悪いところ
花がらが散らないのは良いのですが、大きな花がらが付いたままになるので見栄えが悪くなります。花がらは手で摘めず、ハサミが必須。脚立も必要。こうなると大々的な作業になりがちで面倒くさい。
早く植えた株は8月下旬から葉が黄色くなり始め、枯れてきます。でも、翌年のために地中の球根を成長させなければいけないんですよー。葉や茎が枯れて黄色くなるまで放置するのが基本なんですよー。だから地上部の見栄えはかなり悪い。球根類はこれが最大のネックです。
【スポット起用】バタフライピー

良いところ
苗の案内に「40℃に耐える」と書いてあった優秀なバタフライピー。鮮やかなブルーの花と、マメ科特有の楕円の丸い葉が爽やか~。暑さに強く、ツルが旺盛に伸びて葉も茂るし、花も次々に咲きます。花を摘むと真っ青なハーブティーとして楽しめるそうです。
悪いところ
成長するにしたがって、上のほうばかりが茂って下の葉が枯れてきます。花の咲く位置もどんどん上部へ移っていき、下部は茎だけのスカスカ状態に。2024年は対策として、ツルが1mぐらいに伸びると次々に切って小さくまとめることにしました。おかげで9月になっても葉を美しく保てましたよ。
しかし「大きくしない=グリーンカーテンの主役にはならない」のです。鮮やかな花は名脇役ですけどね!ハダニが付きやすいので、葉の裏にも水を毎日かけていました。
【スポット起用】ルコウソウ

良いところ
40℃に耐える植物、赤い星型の花がルコウソウです。小さくて鮮やかですごくカワイイでしょ! ワンポイントとして1~2株を植えています。上の写真は前述のグロリオサ(オレンジ色の花)との混植です。相性良いですよねえ。ルコウソウは猛暑の中でも旺盛に育ち、ツルをどんどん伸ばします。
悪いところ
まず、葉がレース状なので日陰を作れず、グリーンカーテン向きではありません。前述のバタフライピーと同様で、早い段階から下の葉が枯れてきて、花の咲く位置がどんどん上がってしまうのが難点。なので、伸びたツルは1mぐらいの高さで切って脇芽を出していったところ、いつも目線の高さで新しい葉と花が楽しめるようになりました。
次々と咲いてはしぼむ一日花なので、花がら摘みは仕事のひとつ。ハダニが付きやすいので、水やりの際に葉の裏にも毎日かけていました。
【戦力外】日本アサガオ

風情があって超かわいい日本アサガオは、定番なので何回か育てたんですが…。思ったように上手く育ちません。早い段階で葉が黄色くなって落ちてしまいます。アオムシの食害も酷かったですね。ベストの状態だったのが梅雨開け前まで。8月にはボロボロ。日本アサガオは40℃以上が何時間も続く過酷な西側、猛烈な西日に耐えられないんだと思います。
危険系アサガオに注意
植物選定のポイントでも触れましたが、アサガオは植えると繁殖しすぎて危険な系統(ノアサガオの外来系統)があります。庭ごと、家ごと飲み込まれる可能性もあるし、ご近所への迷惑どころか、周辺環境の生態系にまで影響を及ぼしかねません。普通に園芸店やホームセンターで取り扱われているので、要注意です。主なものがこちら。
- 琉球アサガオ
- オーシャンブルー
- クリスタルブルー
- 宿根アサガオ
【戦力外】キュウリ

キュウリは2年連続ダメでした。夏が暑すぎて気候が合わないんだと思います。一番調子が良かったのが5~6月です。7月中旬にはすでに葉がボロボロで、7月末には完全終了。西側どころか、南側でもうまく育ちません。ウドンコ病に強いという品種を選んでもウドンコ病になるし、ハダニは大繁殖するし。全然ムリ。
【戦力外】ゴーヤ

同じウリ科でも、ゴーヤはキュウリより少しマシでした。9月になっても枯れるところまでは進まなかったです。7月から8月に35~40℃近くの気温が続いたせいで、下の葉が黄色く枯れてしまって葉がない状態になりました。残っているのは小さな葉ばかりでスッカスカです。もはやグリーンカーテンじゃない(笑)
【戦力外】ヤマイモ

暑さにも強くてグングン伸びるので、グリーンカーテンに向いてはいるのかもしれない…。でも、いくらなんでも増えすぎる。ムカゴを収穫しないと大変です。土に落ちたムカゴは、取っても取っても芽が出てくるほど大繁殖。ツル自体がネットに絡んでいくタイプなので、片付ける時に絡まった細いツルを外すのに一苦労。あ、それと巨大なアオムシも付きます…。
まとめ
そんなわけで、グリーンカーテンの一番のおすすめはパッションフルーツでした。
ちなみに、2024年は38リットルのプランター1鉢の中に下の苗を混植しましたよ。
- パッションフルーツ1株
- ルコウソウ1株
- バタフライピー1株
2025年もこのラインナップで激烈な夏に対抗しようと思います!!

グリーンカーテン、挑戦してみてな!